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【感想】mlm(ネットワークビジネス)の闇と投資について考える「Phantom」羽田圭介

今あるお金を、現在の自分を幸せにするために使うのか?

それとも現在は節約し、将来の自分のために増やしていくのか?

今回は、芥川賞受賞作家の羽田圭介さんの小説を読んだ感想を書きます。

お金の使い方について改めて考えさせられる内容でした。

一部ネタバレを含むのでご了承ください。

[rakuten id=”book:20373782″ kw=”Phantom 羽田 圭介”]

目次

あらすじ

主人公は30代独身女性、年収200万円の事務員で、生活を切り詰めて捻出したお金を米国株式に投資している。

将来的には株の収益のみで働かずに生活することが目標。

いっぽう主人公の彼氏も年収200万円だが、「使わないお金は死んでいる」といい、高いカメラやパソコンを躊躇なく購入している。

そんな彼氏は最近、「ムラ」という月額5980円のオンラインサロンに入会した。

ムラではお金ではなく「シンライ」が通貨の役割を果たしており、相手の役に立つことをするとシンライが貯まり、それを別の物に交換することができるシステムがある。

ムラにのめり込む彼氏に対して、価値観の違いを感じる主人公であったが、ある日そのことが原因で喧嘩になってしまう。

その後、彼氏は休職してムラの人たちと山奥で共同生活を始める。

そこでは、早朝からランニングやヨガを行ったり、瞑想や自己否定の時間があったり、健康的かつ独特な生活がされている。

主人公は彼氏を心配して、200万で傭兵を雇ってムラに彼氏を取り戻しに行く。

果たして、彼氏を無事に取り戻すことはできるのだろうか。

「Phantom」感想

主人公のお金に対しての考え方が徐々に変わっていく過程がおもしろいです。

友人の結婚式にさえ参加せずに、その浮いた資金を投資に回す主人公でしたが、それによって友人と疎遠になっていまいます。

また、彼氏の誕生日に中古の料理器具を使って手料理をふるまう主人公でしたが、それをケチっていると彼氏に間接的に否定されてしまいます。

良好な人間関係を築くためには、小さな出費をケチってはいけないな、と考える出来事ですね。

そんな経験を経た主人公が、自分の年収に匹敵する200万円を出して傭兵を雇い彼氏を取り戻しに行く決断をしたことには驚きました。

「今」の自分のためにお金を使う充足感というものは、人生において大事なのかもしれません。

確かに、将来の自分のために今我慢しなければいけない場面は少なくありません。

しかし、その「将来の自分」が確実に存在するとはいえませんし、明日死ぬ可能性だってあります。

この話に出てくる、資産1億円以上を持っている株主のおじさんたちは、安いアパートに住み、安い服を着て、安い食事をして暮らしています。

資産1億円以上も持っている人が、生活保護受給者とたいして変わらない生活をしているのです。

自分で使い切ることのない資産を持っていて意味はあるのか、今の自分を豊かにするために使ったほうが幸せなのではと考えました。

日々、我慢しすぎずに今の自分にお金を使ってあげようと思わせてくれる話でした。

主人公の株取引中の心理が詳しく書かれているので、いま株式投資をしている方はさらに楽しめる内容だと思います。

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