ハ・ワンさんの「あやうく一生懸命生きるところだった」の感想と簡単に内容をご紹介させていただきます。
毎日大した意味もなく働くの疲れたな…
なんでこんなに頑張らなくちゃいけないんだろう…
このような、いつも頑張りすぎて疲れちゃった方におすすめの、脱力系エッセイです。
[rakuten id=”book:19847403″ kw=”あやうく一生懸命生きるところだった ハ・ワン”]
著者紹介
職業:イラストレーター・作家
特技:何かと言い訳をつけて仕事を断ること・貯金の食いつぶし・昼ビール堪能
会社勤めとイラストレーターのダブルワークに奔走していたある日、「こんなに一生懸命生きているのに、自分の人生はなんでこうも冴えないんだ」というやりきれない気持ちが限界に達し、40歳を目前にして何のプランもないまま会社を辞める。
フリーのイラストレーターとなったが仕事のオファーはなく、ごろごろしてはビールを飲むことだけが日課になった。
気が抜けてしまうような、ゆるーいプロフィール。好きです(笑)
特に何かを成し遂げた方というわけでなく、フリーで仕事をして細々と好きなように暮らしているようです。
なんとメンタルに優しい生活なのでしょうか。羨ましい限りです。
本書では、人生や自分について考えさせられる数々の名言が登場しますので、ご紹介いたします。
※ネタバレになりますのでご注意ください。
[rakuten id=”book:19847403″ kw=”あやうく一生懸命生きるところだった ハ・ワン”]
何のために必死に頑張っているの?
人間は、生まれてきてからというもの多くのレースに知らず知らずのうちに参加させられているようです。
著者の最近の生活はというと、正午をまわったころに起床し、遅めの昼食を適当にすませ、のらりくらりとビールを飲んだり、本を読んだり、アイデアを書き散らしたり…といった感じです。
「レース」を棄権したような気分とのことです。当然、勝ち負けもないです。
ところで気になるのは、それが何のレースだったのか、まったく見当がつかないことだ。
誰が一番お金を稼ぐでしょうか大会?
誰が一番最初に家を買うでしょうか大会?
誰が一番出世するでしょうか大会?
著者は、この正体不明のレースで好成績を出そうと必死に頑張っていたことがあるようです。
でも、もう好成績を出さなくてもいいのです。もうレース場外に出てしまっているので。
こんな著者を心配してくれる友人もいるようですが、そのたびに「なんとかなるさ、ケ~セラ~セラ」と笑ってみせるそうです。
努力は僕らを裏切る
私たちは小さいころから精神論を刷り込まれてきました。
「一生懸命やりなさい」
「努力なしに得た成功は成功じゃない」
このような精神論です。
しかし、努力もなしに恵まれていて成功している人は存在します。
一方で誰よりも一生懸命頑張っても報われない人もいます。
努力してどうにもならないとか、努力した分の見返りがない場合もある一方で、努力した以上の大きな成果を収める場合もある。
この事実を認めれば、苦しみから少しは解放されるだろうと、筆者は考えています。
自分がこんなにも努力したのだから、これくらいの見返りがあるべきだという思いこそが苦悩の始まりです。
そもそも、やる気がなくても働ける
この社会はとにかく「やる気」が大好きです。
やる気=素晴らしいという意識をいつの間にか植え付けられています。
こんな世の中だから、自分の仕事にやる気が持てなくて心配する人も多くいます。
しかし、これは好きでもない人を目の前にして「私、どうしてあなたのことを愛せないのかしら」と悩むようなものです。
やる気とは自ら作り出すものであり、誰かに強要されて作り出すものでは絶対にない。
やる気がないなりに、目の前の仕事をこなせばいい。
そのうち仕事が好きになってくるかもしれないし、ほかにやる気を出せる仕事が見つかるかもしれません。
そのときにやる気を注ぎ込めばいいと著者は述べています。
いつかやる気が注ぎたくなる仕事に出会ったときのために自分のやる気を大切にしましょう。
僕らは長い間、お金が目標の人生を生きてきた
著者は自身が「どう暮らしたいか」「どんな仕事をしたいのか」といった大事なテーマを差し置いて、より多く稼げる道を追いかけて生きてきました。
他の問題は自動的に解決するものだと信じていました。
しかしお金を追いかけてきたのに、著者がお金持ちになることはなかったのです。
そこで、自身にお金を稼ぐ能力が決定的に不足していることを認めました。
「どうすればお金持ちになれるか」だけを考えすぎるあまり、本当に大事なものを見落としてきた。
著者はいまだにお金が好きですし、お金との縁が切れないと言います。
しかし、現在はそれを目的に生きてはいないそうです。
お金が目的じゃないなら、この先どう生きるべきか?
どんな仕事をすべきなのか?
どんな人になりたいのか?
多くの疑問の答えを探すには、けっこう時間がかかりそうですね。
しかし筆者は手放してから見えてくるものがたくさんあったそうです。
人生に正しい選択なんてない
正しい選択をしたつもりが、後々考えるとそうでもなかった、ということもあれば、選択を誤ったと思っていたのに後から良い結果につながることもあります。
結果は誰にもわからないものです。
人生のすべてをコントロールしようと考えてはいけない。
人生自分の選択でコントロールするのは、そもそも不可能なことです。
どんなに不幸なことが起きても、自分のせいじゃないのです。
筆者が悩みや不安を抱えても冷静でいられるのは、自分の力ではどうにもならないことに悩まなくなったからかもしれないとのことです。
「自分だけの人生」は失敗の上に成り立つ
失敗してもいい。失敗したときは後悔すればいいだけだ。
きっと、他人の言葉を信じて群れを成した人々も、後悔するのは同じだから。違うかな?
私たちは、日々他人の意見や評価を気にしていきています。
そうして無鉄砲にチャレンジするよりも、他人から失敗されないと検証された中間以上のものを選ぶようになります。
すると自分の感性が退化して、自分の選択を信じられなくなっていきます。
安全だと誘惑する他人の声に背を向け、自分の声だけに耳をすませた選択はいわば「孤独の失敗家」です。
失敗する可能性もあるが、少なくとも誰かの言いなりとなる他人の人生は歩まずに済みます。
仕事にアレコレ求めすぎてない?
食べていくのは大前提として、お金をたくさん稼げるほどいいし、自己実現もできて、面白くて、そこまできつくなくて、それに休みも多くて…
それってどんな仕事でしょうか。
実際のところ、その中の1つや2つでも満たされるなら、なかなか良い仕事と言えるのではないでしょうか。
本当にやりたい仕事が見つからない理由は、本当は働きたくないからではないのでしょうか。
そうであるならば、今の仕事の良い面を見て妥協する手もあると著者は述べています。
同じ人生なら「一生懸命」より「楽しく」
「一生懸命」という言葉には、嫌いなことを我慢してやり遂げるという意味が含まれています。つまり、楽しくないのです。
だから、一生懸命生きるのはつらい。それは我慢の人生だから。
結果のために耐えるだけの生き方じゃダメだ。過程そのものが楽しみなのだ。
この先、著者はこう考えることに決めたそうです。
ワープして飛び越えたくなるような苦しい時間ではなく、楽しい時間をすごそうと。
「あやうく一生懸命生きるところだった」まとめ
この本は、必死に頑張ることを否定するものではありません。
必死に頑張った末に筆者がたどり着いた、頑張らない生き方、自分軸の生き方をポップに示してくれた本だと思います。
無理にやる気を起こさなくてもいい、やる気が出たときに頑張ればいいのです。
競争に参加しなくてもいいのです。
今をしっかりと楽しみましょう!
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今日のひとりごと
おっと危ない、あやうく一生懸命生きるところだった!
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